アーユルヴェーダって、「おでこにオイルを垂らすやつ」?
そう思った方にこそ、ちょっと聞いてほしい話です。
アーユルヴェーダは、食事や生活習慣、薬草、体の見方、心とのつき合い方までを含む、インドで長く受け継がれてきた暮らしの知恵です。
それは、抽象的な概念の体系を持ちながら、目的はあくまで「実践」。日々の暮らしにどう活かすか、を大切にしています。
暮らしの中の「美しさ」
インドでは古くから、女性たちは身近な草花や薬草を、毎日の暮らしのなかに自然に取り入れてきました。ちょっと想像してみてください、サフランの黄金色、ローズの豊潤な香り、ハーブの粉末でヘアケア、薬草を煮出したオイル。それらは特別な「美容アイテム」ではなく、台所や寝室にあるごく普通のものとして、母から娘へ、代々手渡されてきたものです。
アーユルヴェーダの古典書には「アビヤンガ」(全身に油をなじませる)、「ウドヴァルタナ」(薬草の粉末を使った手当て)、「ガンドゥーシャ」(オイルうがい)などが記されています。金属でできた小さな道具(カンサワンド)でフェイシャルマッサージすることもあります。
インドの女性たちは、こうした所作を「美容法」と呼ぶより、自分のため、家族のために活用しています。新年を迎えるとき、健やかな未来を祈念して、自分の肌や体に触れる、それだけのことです。
たとえば、こんな小さな所作から
- 寝る前に、足の裏をごま油やギーでゆっくり撫でる
- 食卓に、サフランやローズ、スパイスの色や香りを取り入れる
- ヘアケアとしてオイルやハーブの粉末を使う
「何かに効くから」ではなく、「自分を大切に扱う」という感覚。それが、古典書のいう「美しさ」の入り口にいちばん近いものかもしれません。
このように、同じような素材を、私たちも日々の食卓や暮らしのなかで、シンプルな形で取り入れていくことができます。
アーユルヴェーダは抽象的だけど、実践はとても具体的
「アーユルヴェーダは、有益な人生、有害な人生、幸福な人生、不幸な人生、寿命をより良くするものと悪化させるもの、寿命の長さ、そして生命の本質を取り扱う」
——チャラカサンヒター総論編 1:41(Caraka Saṃhitā, Sūtrasthāna 1:41)
と古典では言ってます。加えてドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)、オージャス、3つのグナ(サットヴァ・ラジャス・タマス)などの単語が出てきて、たしかに、感覚で直接つかみにくい言葉が並びます。初心者の方にむずかしそうに見えるのは当然です。
でも実践レベルになると、とてもシンプル。たとえば「なんだか落ち着かない」と感じる日には、
- 温かい白湯を、ゆっくり飲む
- ごま油で、体をやさしくマッサージする
- 出来立ての、温かい食事をとる
こんな具体的な行動から始められます。抽象的な概念は、実践が後から補ってくれます。
アーユルヴェーダは「科学的じゃない」?
アーユルヴェーダには現代科学的な検証が少ない、と言われることがあります。それはその通りです。
現代医学が「炎症」「代謝」といった概念を実験や統計で確かめていくのに対し、アーユルヴェーダはどちらかというと「おばあちゃんの知恵袋」に近い、哲学的・経験的な知識体系です。性質が違うだけで、優劣の話ではありません。
概念が抽象的で、インドとの文化的な距離もあって、なんとなく難しそう——初心者の方にはそんな先入観で、なかなか身近にならないのが現状かもしれません。
しかし、近年インド政府AYUSH省は伝統医学の記述を科学的に検証するプログラム「CCRAS-PARAMPARA」などを発表していて、研究基盤強化を図っています。今後が楽しみですね。
まず「やってみる」、それから「学ぶ」
「興味はあるけれど、どこから学べばいいか分からない」。アーユルヴェーダ初心者の方からそんな声をよく聞きます。 私は個人的に、先に「具体的な習慣」を試してから「抽象的な概念」を学ぶ方が、ずっと腑に落ちやすいと思っています。 恋愛心理学も、誰かを好きになってドキドキしたり、フラれて泣いたり——そんな実体験がない人が読んでも、ピンとこないですよね。 それと同じで、
- 食事を軽くした日は、なんだか身軽だった
- 朝の白湯が、ほっとする時間になった
- 食前の生姜が、ちょっとした楽しみになった
こんな小さな実体験があると、あとからドーシャや消化の話が出てきても、「自分の感覚」として記憶に残ります。
アーユルヴェーダで毎日を自分で心地よく
特別な何かより、”余計なもののない自分でいられる感じ”。 その日々の心地よさを、自分の手でつくっていく。アーユルヴェーダは、そんな毎日の工夫がとても得意です。 むずかしく考えず、できるところから。まずは気軽に、暮らしに取り入れてみてください。
あなたはどのタイプ?体質セルフチェック——3つのドーシャ
アーユルヴェーダでは、人の心や身体の傾きを『ドーシャ』という3つの質で考えます。自分がどのタイプに近いかを知ると、食べ方や過ごし方の”自分に合う選び方“が見えてくるのが面白いところ!初心者でも中級者でも、誰もが関心を持つトピックです。
心のあり方を知る——3つのグナ
身体にドーシャがあるように、心にも『グナ』という3つの質があると考えられてきました。サットヴァ・ラジャス・タマス——自分の心がどの質に傾きやすいかを知る、もう一つの見方です。
アーユルヴェーダとは?見取り図をプレゼント
3つのドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)を1枚で見比べられる保存版の図解とパンチャカルマの資料を、ヴェーダビージャムのお知らせ登録の方にお届けします。ワークショップや講座の開催案内、暮らしの知恵もメールで不定期にお届けします。登録はメールアドレスのみ。配信は月に何通も届くことはなく、解除もいつでも可能です。
続けてみたい初心者の方
季節の食養生、毎日の過ごし方、簡単なセルフケアなど、毎週、暮らしにすぐ使えるヒントをInstagramでお届けしています。むずかしい知識はいりません。まずは気軽に覗いてみてください。